泣いて笑って夢見る明日

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何度だってやり直せる~舞台「どれミゼラブル!」感想

舞台どれミゼラブル!が本日大千穐楽を迎えました。こんなに最初から最後までずっと笑える。そしてその笑いが全く下品じゃなく、愛情や信頼があるからこその優しい、とにかく優しい笑いなので、座組と客席の作り出す雰囲気がどの回も暖かかったのがとても印象的な舞台でした。

その反面、その奥に隠されたメッセージを受信するのが難しく、大千穐楽を迎えてやっとブログとしてまとめることができました。

笑いながら泣いて、泣きながら笑ってる。

誰もがどこかに抱える生きることへの苦しみ、一人では抱えきれない悔しさ。痛くて苦して叫びたくて、だから笑う。そんな矛盾をコーポレミゼの住人と一時でも分かち合うことができる。人間味の溢れるファンタジーの世界を体験した感想をまとめます。

 

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あらすじ

 若者の街、演劇の街といわれる下北沢の片隅にあるアパート「コーポ・レミゼ」。ここに住めば必ず人気役者になれると言われる伝説の館に、現在は売れない役者たち5人がしぶとく住み続けている。
 ショーパブでの出演が主な仕事の、自称ミュージカル俳優・市河マサチカ(石垣佑磨)は、ミュージカルのアンサンブルとして1度だけ出たことはある自称ミュージカル俳優。 とある大手の芸人養成所を首席で卒業したものの、卒業後はさっぱり売れず、細々とコントを書いたり、ラジオ番組のハガキ職人をやっているお笑い芸人のコムサ真二(室龍太)は、売れていないのにプライドは高い。アクション俳優のジャッキ・チェーン(金田哲)も、デパートの屋上での戦隊ショーが仕事のほとんどの、その他大勢のスーツアクターの一人だ。歌舞伎役者の中村鶴若(早乙女友貴)は大部屋の役者で、歌舞伎を愛してるが、良い役をもらえず、ほとんどが女中の役や馬の脚役。そして、アングラ俳優の安具楽秀樹(石橋徹郎)は、華麗な経歴を持ちながらも現在は超小劇場で訳のわからない事を叫んだり、体を白く塗って踊ったりしている神経質な中年オタクだ。
 この5人、一体いつになったら役者として花を咲かせるのか、咲かせないのか。家賃も滞納してばかりで、若き大家の松子(岩田華怜)もほとほと困っている。
 ある日、役者志望の田中守(松本幸大)が上京し、伝説の「コーポ・レミゼ」に住みたいとやってくる。右も左もわからない守に5人の役者たちは先輩風やホラを吹かし、あれこれ守の演技指導をするが、5人が好き勝手に教えるため、守は振り回される。守は劇団の新人オーディションをいくつか受けるが、なかなか受からない。それでも明るく前向きに進む守をいつしか5人は応援していく。だが、そんな時、アパートが差し押さえになるという噂が聞こえてきて・・・。
 果たして、守は役者としてデビューできるのか?コーポ・レミゼはどうなるのか?そして、5人は人生を立て直すことができるのか?

出演

【演出】

池田テツヒロ

【脚本】

可児理華

【出演】

松本幸大(宇宙Six/ジャニーズJr.)
室龍太(関西ジャニーズJr.)
石垣佑磨  岩田華怜  金田哲(はんにゃ)
早乙女友貴  石橋徹郎(文学座)

 以上公式HPより引用

www.doremize.jp

田中守という虚構

主演の幸大くんが演じる田中守という広島から上京した青年。夢を持って、うざいくらいに前向きで、その行動力と熱意にくすぶっていたコーポ・レミゼの住人の心が動かされていく。

田中くんはコーポレミゼの住人の願望が反映された、空想の人物ではないかと思っています。彼らが動き出すために「こんな人がいてくれたら」を具現化した人。のび太にとってのドラえもん的な。言動も表情もどこか作り物っぽくて、そこにいるんだけど地に足がついていない。これは意図してなのかどうかわかりませんが、幸大くんの持つアイドル性と重なることがあって絶妙なキャスティングに見れば見るほど唸るばかりでした。

コムサ真二という現実

虚構の田中守と対比にいるのが室龍太くん演じる芸人兼、俳優兼、構成作家兼、はがき職人のコムサ真二くん。見栄っ張りでお調子もので、夢があるのに努力を人に見せたがらない。皮肉屋で頑固で、何とも人間味のある人間を室くんが演じている。仲の良いコーポ・レミゼのメンバーの中でもちょっと浮いているコムサがもう一人の主人公。この物語はコムサの成長物語でもある。優しい同居人に甘えて現実を見ようとしなかったコムサが、まっすぐすぎる守の登場で少しずつ心を動かされていく姿がこの物語の中心となっている。

最後の方にコムサが「ほんますまんかった。年も対して変わらんのに、金持ちの息子で苦労を知らんお前につい嫉妬してもうて」と守に話すシーン。嘘ばかりだったコムサがやっと自分の本当の気持ちを口にできた瞬間。この瞬間にコムサはまた一つ成長したんだな、と毎回ジーンとしていました。

座長・松本幸大

「僕も上京してきた時は自分がどうやって役者になれるかって、自分のことばっかり考えてましたけど、皆さんとこうしてここで出会って、一緒になんかやってるうちに、みんなで一緒に何か作るってことがどれだけ楽しいか、どれだけ充実しとるか分かったんです。仲間と一緒に何かやるっていうのは人生の宝物なんだって」

守くんのこのセリフを聞いて幸大くん自身が最近同じようなことを言ってたことを思い出しました。MADにいたときよりもグループのことを考えるようになった。今は宇宙Sixがとても大切だ、というようなことを雑誌で語ってました。

そして、単独初主演のこの舞台。幸大くん自身はみんなの先頭に立ってグイグイと引っ張っていくタイプではないですが、その変わりに「一緒に作ること」「仲間を大切にすること」をすごく意識していたんじゃないかなと思っています。主観ですがどれミゼラブルの幸大くんは今まで以上に座組の中に「存在」するようになっていたように感じました。

このセリフは幸大くん自身の物語であり、座長としての在り方を守くんが幸大くんに教えてくれているような、そしてもしかしたら脚本の可児さんからのメッセージなのかも。

舞台役者という道

「役者はひとつの舞台が終わるとそれぞれまた別の現場に行く。共演者とはまた会うかもしれないし、会わないかもしれない。でも、彼らが風のうわさで活躍していると聞くと自分も頑張ろうって思う。その距離感がいい。家族でもない、友達でもない。役者の仲間です。」

安具楽先輩が最後に話すこの言葉。この舞台の重要なメッセージであり、この言葉を実際の舞台役者が言う重さ。

もちろんどれミゼラブルの座組にも当てはまるし、舞台上にはジャニーズの仲間たちをたくさん見送ってきた幸大くんと室くんがいる。ジャニーズJr.という不安定な立場にいる2人はこれからも何度も新しい仲間と出会い、そして別れを繰り返していく。つい最近も宇宙Sixは大事な仲間とそれぞれまた別の道に行きました。室くんもですね。また会うかもしれないし、会わないかもしれない。

「自分も頑張ろうって思う」「その距離感がいい」

彼らがそう思ってくれていることを、思っていてほしいと、願うばかりです。

最後に

エピローグではコーポレミゼメンバーのその後が語られます。夢をかなえた人もいれば、叶えられなかった人もいる。みんな、それぞれの道で頑張っている。それがいい。人生は何度でもやり直せる。夢は一つじゃない。

何年も会わなくても会えば当時の空気感に戻る。仲間とはそうゆうもの。どれミゼラブルの座組のみなさんは恐らくそうゆう「仲間」になれたと思う。それは私たち観客もしかり。何年も経った後に「どれミゼラブルの時はこうだったね。あの時は楽しかったね。」と語り合えるような仲間になれたのではないかと感じています。

再演を願いながらも、どこかで再演は無いと思っている。またコーポ・レミゼのみなさんに会えるかもしれないし会えないかもしれない。その距離感がいい。

沢山の笑いと笑いと笑いとの中で一縷の寂しさと、素敵な仲間を残してくれたどれミゼラブルカンパニーの皆様。本当に楽しい1か月間をありがとうございました。

 

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